SIMフリースマホやSIMロック解除のスマホを選ぶとき、自分の契約している携帯会社(回線)に通信方式や周波数帯が対応しているのかを確認することが必要です。
その理由は、携帯会社(キャリア回線)によって通信方式や使っている周波数帯が違うから。
まったく使えないというわけではないですが、場所によって繋がらないとか繋がりにくいという状況が起きてくるんです。
SIMフリースマホやSIMロック解除のスマホを、契約している携帯会社で一番いいパフォーマンスで使いたいなら、この通信方式と周波数帯は事前に確認することをおすすめします。
この記事では通信方式と周波数帯について詳しく解説していきたいと思います。
携帯会社(キャリア回線)によって通信方式が違う
携帯会社(キャリア回線)によって通信方式が違うとはどういうことなのでしょうか。
技術が進歩するごとに通信速度も速くなっていて、その速度が速くなる時代時代で「世代」に分けて呼ばれています。
Generation(世代)の頭文字「G」をとって「3G」とか「4G」と呼ばれています。最近では「5G」という言葉もよく聞かれるようになりましたね。
このうち今でも使われている第3世代(3G)の通信方式が携帯会社(キャリア回線)によって異なるのです。
事業者名 | 通信方式 | |
docomo | 第3世代 | W-CDMA,HSPA等 |
第3.9-4世代 | LTE-A,LTE | |
au | 第3世代 | CDMA2000,EV-DO等 |
第3.9-4世代 | LTE-A,LTE | |
softbank | 第3世代 | W-CDMA,HSPA等 |
第3.9-4世代 | LTE-A,LTE |
※総務省HPより抜粋:http://www.soumu.go.jp/main_content/000552764.pdf
上表の第3世代をみると、docomoとsoftbankは通信方式が同じ。auだけ違います。
3Gだけ通信方式が違う
3Gの電波しか飛んでいないエリアで使うことを考えます。
docomoとsoftbankのスマホは3Gの通信方式が同じなのでお互いSIMロック解除して使いまわせます。
ところがauのスマホはSIMロック解除しても3Gの場合はauでしか使えないのです。
もちろんどこの回線でも使えるiPhoneのような万能な機種もあります。
Appleのサイトで通信方式を確認すると、
- GSM/EDGE
- UMTS/HSPA+ (←W-CDMA系)
- DC-HSDPA (←W-CDMA系)
- CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B (←CDMA2000系)
- 4G LTE
というように3Gの通信方式W-CDMAとCDMA2000のどちらにも対応しているので、SIMロック解除したiPhone、SIMフリーのiPhoneはどこの回線でも使えるということがわかります。(日本販売モデルに限定の話。)
さすがiPhone!
ちなみに3G回線はauが2022年にはサービスを終了することを発表、docomoも2020年代半ばに終了する方針です。
auが3G終了を発表。iPhone 5sなどLTEスマホも一部使用不可に――22年3月末 - Engadget 日本版
3Gの利用がなくなってすべて4GやLTE、そして5Gへと移行していけば、気にしなくていい問題になりますね。
携帯会社によって周波数帯が違う
第3.9-4世代(4G)で使われている周波数は下の表のようになります。各社対応している周波数が違います。
周波数 Hz |
700 M |
800 M |
900 M |
1.5 G |
1.7 G |
2.0 G |
3.5 G |
||
バンド | 28 | 18,26 | 19 | 8 | 11 | 21 | 3 | 1 | 42 |
docomo | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
au | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
softbank | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※総務省HPより抜粋:http://www.soumu.go.jp/main_content/000552764.pdf
例えば、softbankで買ったsoftbank仕様のスマホをSIMロック解除してdocomo系MVNOに乗り換えた場合、どうなるか。
・docomoの800MHz(バンド19)と1.5GHz(バンド21)が使えない
・softbankで使っていた900MHz(バンド8)と1.5GHz(バンド11)が使えなくなる
というのがわかると思います。
第3.9-4世代は各社通信方式に違いはないのですが、使っている周波数帯に違いがありつながりやすさに違いが出てくるのです。
- 周波数が低い→電波が届きやすい。(障害物の影響を受けにくい)
- 周波数が高い→電波が届きにくい。(データ通信は高速)
最後に
SIMフリーやSIMロック解除のスマホを購入する際は、通信方式と周波数帯が携帯会社(キャリア回線)にマッチしているかを確認しておくのがベターです。
とくに初心者にはSIMフリーやSIMロックした解除スマホを無理に選ばない方がいいと僕は思っています。
なぜなら、やはり詳しくない人にとっては通信方式や周波数帯を調べるのはちょっとハードルが高いと思うから。
SIMがロックされたスマホでも同じ回線で契約出来るなら無理してSIMフリースマホを選ばなくてもいいと思います。
たとえば格安SIMのmineoならau回線、docomo回線、softbank回線の3回線に対応しているのでスマホ選びで困ることはまずないと思いますよ。
SIMフリーやSIMロック解除についてはこちらの記事で詳しく解説したので参考にしてください。